私、恋をしている
「福岡さんを好きになるやなんて…佐野ちゃん、見る目あるやん?」


枝豆に手を伸ばし、芳賀さんが言う。目も合わせてくれない。きっと、気を悪くしたんやわ。いくらお兄ちゃん的存在やから…って、利用するのは、まずかった…か…⁉︎


「そ、そうかな⁉︎ははは…」


気まずい空気を一掃したくて、残りのビールを一気に飲み干した。


「私、おかわりするよ?芳賀さんは?」


「オレは、福岡さん来てから…で」


「ほな、私もそうするわ…」


なんか、気まずい雰囲気…。このまま福岡さんが来ても、楽しまれへん。


「芳賀さん、好きな人とかおらんの?」


「えっ…」


「社内は、女子少ないからおらんやろうけど…」


「…そやな…」


「もしアレやったら、コンパでもする?お互いの友達、集めて!」


「いや、オレは…コンパとか苦手やし」


「…そんな感じする…。草食系っぽいもん!でも、もし好きな人できたら…全力で協力するからっ!」


「ありがとう」


芳賀さんが照れ笑いを浮かべた。お兄ちゃんのためなら、舞、頑張ります!

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