私、恋をしている
「舞ちゃん、いつも『彼氏いない』って言ってるけど、隠れて和生と付き合ってるんでしょ⁉︎」


「は⁉︎」


芳賀さんと同じタイミングで、同じリアクションをする。


「…違う?」


「…違います…」


芳賀さんが、苦笑いをしながら否定した。


「じゃあ、舞ちゃんにモーションかけてもいいね?」


塩谷さんはそう言って、私の肩を組んだ。ぎゃー!こんなことになるなら、『芳賀さんと付き合ってます』って、嘘つけば良かった。


た、助けて…芳賀さん。懸命に視線を送った。


「オレに、聞かれても…困ります」


…私も…困ります。塩谷さん!


「そう?まぁ、2人はそういう関係じゃないみたいだから、これからは心おきなく舞ちゃんを誘える…ね?」


「あ、あの…恥ずかしいんで…肩を外して下さい…」


塩谷さんは、すんなりと言うことを聞いてくれた…が…。


「舞ちゃん、2人で二次会だ。コレ、払っておくから」


「えっ⁉︎」


塩谷さんは、ムリヤリ私の腕を引っ張ってレジに向かった。


「ごちそうさまです」


福岡さんの声が、耳に響いた。
あーん!福岡さーん!


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