私、恋をしている
今日は、姉さんがいなかったこともあり、いつもより帰りが遅くなった。


「舞ちゃん、私、そろそろあがるけど…手伝うこと、ない?」


「もうちょっとで終わりますから、先にあがってもらっていいですよっ!」


「そう?ほな、お先に」


「お疲れ様です」


夢さんの後ろ姿を見送り、また仕事に集中する。


「お疲れ様」


仕事に集中しようと思ったのに…塩谷さんが声をかけてきた。お姉様方がいないのを良いことに。


「お疲れ様です」


チラッと視線を送り、キーボードを叩く。背後に立たれると、なんか気になる。


「今日、メシ行く?」


「えっ?月曜日の夜、ですよ?」


月曜日から飲みに行くやなんて、週末までのパワーがなくなるやん⁉︎正直、しんどいわ。


「舞ちゃんとなら、毎日でもメシに行きたい」


「えっ⁉︎」


思わず顔を向けてしまう。オフィスに残るすべての人に、今のセリフを聞かれてしまったような気がして、声が大きくなる。


「玄関で、待ってるから」


それだけ言うと、先にオフィスから出ていってしまった…。


どないしよ…。


< 17 / 43 >

この作品をシェア

pagetop