私、恋をしている
この気持ちは…何⁉︎
「お疲れ様です。お先です」


今週一週間、無事に終わった。結局、芳賀さんとは口もきかなかったけれど。


「…気にせんとこ…」


更衣室でひとり、呟いた。化粧直しをサッサと済ませ、予約してある梅田の美容院に向かう。


中津から梅田まで2分。定期券があるから電車を使う。ホームに着くと、ちょうど電車が入ってきた。階段からいちばん近いドアから乗ろうとしたところ、見覚えのある2人が、並んでいた。


うっ…。とっさに、隣のドアから乗りこんだ。離れた場所から、2人の様子を観察する。喋っているのは、塩谷さんばかりで、芳賀さんはうんうんと頷いているだけ。もちろん、話の内容まではわからないけれど…。


あっという間に2分が経過した。2人も、梅田で降りた。ただでさえ混み合う梅田のホーム。金曜日の夜だからか、さらに混んでいる気がした。


後をつけているわけではないけれど、2人に気付かれないように、背中を見ながら改札に向かう。改札を出た時、髪の長い、綺麗な女性が、手を振っていた。2人は、その女性に近付いた。



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