私、恋をしている
私が『好き』って、言ったら⁉︎
ベンチから立ちあがると、家とは反対の、千里中央行きのホームに向かった。そして、電車に乗りこみ、桃山台で降りた。春日園の、独身寮がある駅だ。
いつ来るかも、わからない。もしかしたら、帰って来ないかもしれん。
それでも、いい。私は、芳賀さんを待とうと決めて、秋風が吹き抜ける駅のベンチに座った。いくつもの電車が、人を運んでは、過ぎてゆく…。
電車をいくつ、見送ったかは覚えていない。時計が23時を過ぎたころだった。
芳賀さんが…ホームに姿を見せた。他の人たちに紛れ、エスカレーターのほうへと、歩いてゆく…。
芳賀さん…。
声をかけられない。口をポカンと開けたまま、視線を送る…。
通り過ぎた…。黙って立ちあがると、芳賀さんが急にクルッと振り向いて、私のほうに歩みよった。
「なんで?こんなとこに…」
通り過ぎた…と思ったのに、気付いてくれた。嬉しくて。でも、言葉にならなくて。
「髪、切ったから一瞬、気付かんかったけど…なんかあったんか?」
「あ、あの………」
「とりあえず、座ろ?終電、大丈夫?」
私が頷くと、並んでベンチに座った。
「わざわざここに来るくらいやから、なんかあったんやろ?」
芳賀さんが、心配してくれている。きっと、妹を心配する、お兄ちゃんの気持ちで…。あ…いやや、そんなん…。
「うーっ…」
涙を堪えるのに必死で、言葉にならない。芳賀さんは立ちあがると、自販機で『お茶日和』を買って、私に差し出した。
「ちょっと落ちついてから、話す?」
うん。と頷いてお茶を飲むと、体に染み渡った。話を、しようと思った。
いつ来るかも、わからない。もしかしたら、帰って来ないかもしれん。
それでも、いい。私は、芳賀さんを待とうと決めて、秋風が吹き抜ける駅のベンチに座った。いくつもの電車が、人を運んでは、過ぎてゆく…。
電車をいくつ、見送ったかは覚えていない。時計が23時を過ぎたころだった。
芳賀さんが…ホームに姿を見せた。他の人たちに紛れ、エスカレーターのほうへと、歩いてゆく…。
芳賀さん…。
声をかけられない。口をポカンと開けたまま、視線を送る…。
通り過ぎた…。黙って立ちあがると、芳賀さんが急にクルッと振り向いて、私のほうに歩みよった。
「なんで?こんなとこに…」
通り過ぎた…と思ったのに、気付いてくれた。嬉しくて。でも、言葉にならなくて。
「髪、切ったから一瞬、気付かんかったけど…なんかあったんか?」
「あ、あの………」
「とりあえず、座ろ?終電、大丈夫?」
私が頷くと、並んでベンチに座った。
「わざわざここに来るくらいやから、なんかあったんやろ?」
芳賀さんが、心配してくれている。きっと、妹を心配する、お兄ちゃんの気持ちで…。あ…いやや、そんなん…。
「うーっ…」
涙を堪えるのに必死で、言葉にならない。芳賀さんは立ちあがると、自販機で『お茶日和』を買って、私に差し出した。
「ちょっと落ちついてから、話す?」
うん。と頷いてお茶を飲むと、体に染み渡った。話を、しようと思った。