私、恋をしている
「コンパ、の、わりに早いな」


「…何を言い出すのかと思ったら」


「メアド、交換した?」


「佐野ちゃん、オレのこと…心配してくれてたんか?」


「ううん」


「ほな、なんで?」


「…交換したのか?と、聞いてる」


「してない」


「なんで⁉︎」


思わず、身を乗り出しそうになる。あんなかわいい人やで?きっと脱いでもスゴイで?昼と夜のギャップに、萌え萌えになるかもしれへんで?


「なんで…って…オレは…」


芳賀さんが、私を見る。一瞬、目が合ったけれど、フッとそらされる。


「別に、興味なかったから…」


「あんなかわいい人やで?もしかして男好き⁉︎」


「男好きちゃうけど…あんなかわいい人って、なんで知ってる?」


そらされた視線が、また私を捕まえる。
しまった!
…開き直るしか、ないな。


「たまたま梅田で、見かけた。あんなかわいい人やったら、絶対、好きになると…思ってた…」


「たしかに、かわいい人やったけど」


「ほら!やっぱり!」


嫉妬心が渦巻く中、立ちあがる。そろそろ終電も、気になってくる。


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