私、恋をしている
「かわいい人やねんから、付き合えばいいやん?好きになって、いっぱい抱きしめ合って、ラブラブイチャイチャしたらええねん!」


心とはうらはらに、思っていないことばかり…。


「佐野ちゃん、落ち着いて…」


芳賀さんが立ちあがり、私に座るよう促した。が、その手を振り払った。


「落ち着いていられへんわ!」


まわりの視線も気にせず、私は芳賀さんを怒鳴りつけた。


「2人っきりで飲みに行ったり、笑顔を見せたり、手ぇ繋いだり、抱きしめ合ったり…私の知らんとこで、芳賀さんがそんなこと、するやなんて…許されへんねんからっ!」


「…さっきと…言うてることが…違うけど…?」


「うるさい!」


涙で潤む目で、芳賀さんを睨みつけた。もう、堪えきれへん。この想いも、溢れる涙も…。


「笑いたかったら、笑って…。私、芳賀さんが…好きやねん…」


「えぇっ⁉︎」


芳賀さんが、間の抜けた声をあげた。冷静な芳賀さんらしくなくて、おかしかった。



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