私、恋をしている
夕方になり、仕事を終えたルートセールスマンたちが、続々と帰ってきた。


「お疲れ様、は・が・さん!」


デスクでキーボードを叩く芳賀さんに声をかけた。振り向いた頬にティーソーダをくっつける。


「差し入れ」


「あ、ありがとう」


今朝、塩谷さんにもらったティーソーダとは知らず、芳賀さんが受け取る。


「今週の金曜日、飲みに行かへん?」


「いいよ」


まずは芳賀さんに相談しよう…飲み会のセッティングは、それからや!


「ほな、仕事終わり次第、いつもの店に集合!ね?」


「了解」


芳賀さんは、何事もなかったかのようにまたカタカタとキーボードを叩いた。


福岡さんに一歩近付けた気がして、私の頬は自然と緩んだ。

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