私、恋をしている
「お待たせ」


「芳賀さんっ‼︎待ってましたっ‼︎」


思わず、頬が緩んだ。


「…何か、企んでるな?」


「た、企んでないっ!さぁ、疲れたやろ?どうぞどうぞ!」


芳賀さんの前にメニュー表を広げた。とりあえず、ビール!それと、美味しい創作料理。行きつけの居酒屋は、豆腐の創作料理が美味しいから、2人のお気に入り。


「かんぱーい!」


くぅーっ‼︎週末の1杯は、たまらんなぁ。


「…で、佐野ちゃんの企みは、何?」


「た、企み…とかやない。ちょっと相談に乗ってもらいたい…と言うか…」


芳賀さんには、お見通しのようで…それやったら、開き直ったる!ちょっと、恥ずかしいけれど。


「相談…って?」


芳賀さんと目が合う。ヘンに口の中が乾いて、ビールで潤す。


「好きに…なってん…」


「は………?」


「私なんか、ぜんぜん釣り合わんと思うんやけど…ほんのちょっとでいいから、お近付きになりたいなぁ…って」


「………。誰と?」


「福岡さん」


「………なんや」


「『なんや』って何よっ⁉︎私と福岡さんやったら、やっぱり釣り合わん?」


「…何も言ってないやん…」


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