駆け込まない、立ち止まらない。
「な、何言ってるの!?」
「いや、俺の可愛い彼女に朝から甘いささやきをと…いや、あまりにも莉音ちゃんが可愛くて…」
「こら、朝から嫌がってるじゃないか。朝から気持ち悪いこと言うなよ。」
そう言って現れたのは、身長178㎝かつA型かつ11月29日生まれの射手座の彼。
鳴海麗哉くん。
…どうしてそんなに詳しいのって?
「だいたい乱斗の彼女じゃないだろ。」
「どうせ秀才麗哉君の彼女ですよー。」
そう、彼が私の彼氏だから。
そう嫌味たらしく言っている、朝から少女漫画のような言葉を浴びせてくる彼は水野乱斗君。
乱斗君は同じクラス。
少しチャラい。
そして、麗哉君とは大の仲良し。
「おまえ、それ嫌味か?」
「嫌味じゃねえし、まあ俺の方が運動神経はいいけどな。」
乱斗君がドヤ顔で言った。
確かに彼は運動神経は学年1といっても過言ではないだろう…けど…