永遠の場所



外にも出られるようになった今日は、由佳理の誘いで外出することになった。

だけど、どこへ行くとか詳しいことは何も聞いていなかった。



「んー、とりあえず車に乗って」



何かをたくらんでいるような笑顔で言う。

だけど、それ以上は追究することはせず、由佳理の車に乗った。

そして、由佳理の運転で発進する。


結局、どこへ行くか教えてもらえないまま、走り続けている。

隣ではごきげんなのか、鼻歌が聞こえる。


どうして行先を教えてもらえないのだろう。

今までこんなことはなかったのに。

とは言え、最近の私が文句を言える立場ではない。

あの日以降、体調不良もあったけど、1度も彼と連絡を取っていない。

ラインを確認してもいない。




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