サムライプリンス

「!!!!!



……アンか?!」


ケンは駆け寄り


驚きと喜びと緊張の表情を浮かべるアンを思わずギュッと抱きしめた。


「本当にアンか?」

抱きしめた拍子にアンの帽子が脱げ風に乗る。


「何だよー来るなら来るって言えよ!」


そう言ってアンを抱きしめながら
頭を優しくなでる。



すっぽりとケンの腕にくるまれたアンは真っ赤になりながら、うん、と頷く。


更に格好良くなったケンに抱きすくめられ、懐かしい香りに包まれたアンはドキドキしながらも心が落ち着いていくのを感じた。


「本当よく頑張ったな…」


ケンは抱きしめる腕を緩めず噛み締める様に囁いた。


その様子を見た執事は目を白黒させ汗をかきながらワザと大きな咳払いをする。


「ゴホンッ!

本日お呼び立てした理由を申し上げます!」


その声でケンは、
やっとアンを解放する。


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