サムライプリンス
ケンの低く通る声が響き渡り
イワンはハッと何かを思い出したように泣き崩れる。
ゴシップ誌を鵜呑みにしていた自分…
来日時に確かに日本人と一緒にいたと側近からの報告…
自分に自信が無かっただけに
それだけを信じてアンに冷たく当たっていたーー
アンはいつだって笑顔で、こんな俺を受け入れようと話しかけてくれていたーー
王子っと呼びかけてくれたアン…
意地を張って無視していた自分ーー
なんて子供じみた事をしていたのだろう…
思い浮かべる度に涙が止まらなかった。
アンとケンさんの間には特別な絆のようなものがあるのは感じていた…
しかし
疑われる事実も何も無いのも分かっていた…
でも
格好良いケンさんに
ただヤキモチを焼いていたんだーー