最弱ヤンデレ佐々木くん
倒れることも多々ある自分は、突然意識を失っても頭を打たない倒れ方をするよう体に覚えさせている。
しばらくすれば、勝手に目覚める。
目覚める、訳だけど。
彼女の匂いが充満した部屋とは、如何なものか。
また意識が遠のく。
察するに、倒れた僕を部屋まで運んでベッドに寝かせてくれたんだろう。
彼女は、いつもそうだ。
病弱な僕の近所だからという理由で、昔から僕の世話を焼いてくれていた。
いじめられているならば、相手男子に石を投げつけ。
絡まれているならば、相手不良にピンヒールの靴を投げつけ。
猫の標的になっているようなら、またたびを投げつけてくれた彼女。
ずっと守られていたからこそ、今度は僕も守りたい。
でも、僕は弱い。
外には僕よりも強い奴らばかりだ、いざとなったら彼女を守れない。
いっそ、中に閉じ込めればいいのか。
僕だけしかいない中へ。