恋飴
順番に前へ出て、
名前と趣味、特技などを言う。
真面目に話す子、
緊張して真っ赤な子、
ウケを狙ってすべっている子、
大爆笑をもらっている子…
どれも興味がなさすぎて
何も頭に入ってこない。
「では、次は山崎さん。」
さっきまでざわついていた教室が
静かになる。
そんな事は気にせず、
だるそうにゆっくりと席を立つ。
「くうー♫」
1人の男の声が聞こえ、
周りを見回してみると、
「えー!勇志(ゆうし)やん!
同クラやったん?うけるー!」
声をかけてきたのは
一年の時同じクラスだった
木村勇志だった。