『彼がいるから行けません…』
「その人…咲のタイプじゃないんだね?」朋は私の様子を見ながら話を続ける。
「かなり強引なアプローチだけど、もし好みのタイプだったら素直に嬉しく思うでしょ?
何度も言うけどタイプじゃなくても頑なに拒絶しないで、先ずは食事でもしながら相手を…「キス出来ないから無理」
話しを最後まで聞かずに言葉を被せてしまった。
朋の言っている事はもちろん理解出来る
お茶しながら彼の話しを聞く振りを続けて、彼の事を観察する、『この唇にキスできるか?』そう想像しただけで気持ち悪くて鳥肌が立った。
「朋、覚えてる?
この人と付き合えるか?って考える時に…
『キスできるか?できないか?想像して無理!って思ったら
生理的に受け付けない人だから付き合いはお断りしなさい。
それ以上のこと出来ないんだから…』って朋が言ったんだよ」
私も何時になくブスっとした表情で熱く反論していた。
「それは、それは失礼しました。
生理的に受け付けない人なら仕方ないね…
それで咲は何が心配なの?」朋は私の態度をさらりとかわして本題に触れる。