『彼がいるから行けません…』

「ずっと断り続けていたら仕事に影響が出てこないか心配で…」眉を八の字にして一番気掛かりな件を話してみた。

「先方が公私混同してるから咲が悪い訳じゃないけど、早めに上司に話した方がいいよ…

担当を変更する事も可能かも知れないじゃない?

トラブルが起きてからじゃ遅いんだから、週明けにでも直ぐに報告する事。

それから早く彼氏つくりなよ…

咲は嘘が付けないから『彼に怒られるから行けません』とか適当な事が言えないから相手に付け込まれるんじゃない?

こんなグダグダで面倒な女なのにね?

ニコニコしてると大らかで聞き上手なイイ女に見えますか?

あははははーーー」

「うっ…」と詰まり二の句が継げない。

ダメだしされたけど、言われた内容は一つも間違った事を言われてはいないのだから…

私が男性から好意を示されても素直に喜べないのには理由がある。

本来の私と周囲の人が思っている私との間に、もの凄いギャップを感じてしまうから…

お付き合いする人には素の私を認めて欲しい。

「プライベートにまで緊張したくないもん、普段の私を好きになって欲しいって思うのは贅沢なの?」
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