『彼がいるから行けません…』
コンプレックス
子供は残酷だ!
小学生の頃には既に「咲の姉ちゃんと妹は美人なのに、おまえホント残念だよなぁー」
同級生の男子から憐れみの言葉を掛けられる。
その言葉を聞いていた女子は「ひど~い、咲が可哀想だよ」と声を出しながらも何故か嘲笑しているように見えた。
ストレートに残念だと言ってくる男子の方がまだマシだなと思えてならなかった。
もう一つ思い出した出来事
夏休みのある日
三姉妹でマンガや本を読みながら部屋でゴロゴロしていたら
「誰でもいいから…ちょっと手伝って~」母の声が聞こえてきた。
(今日こそは絶対に耐えてやる!)
密かに闘志を燃やし私は本を読み続けるが…
「ねぇ~聞こえないの~」段々とイライラしてきた母の声に私の心がグラつき始める。
それなのにユキちゃんも妹のアキちゃんもどこ吹く風って涼しい顔をして全く気にする様子がない。
「早く来なさいって言ってるでしょ!!」ブチ切れた声に堪らず
母の元に駆け寄るが、怒り心頭の母は手伝いに来た私を褒める事など無いばかりか三人分の小言まで纏めて頂戴するという何とも理不尽な目にばかり合う私。
「何でいつも私だけ手伝った上に三人分纏めて怒られないといけないの?」
半べそでユキちゃんたちに文句を言おうものなら
「フン!咲は根性が無いから仕方ないじゃない!」またまた返り討ちに合う私だった。