俺の魂を狂わす女
δ.恋の予感
僕は坂下透吾、営業マンだ。

ラボのオフィスに入った。

久保玲香はPCの画面に向かい

マウスをグルグルと動かしていた。

適当にだ。

「主任?」

僕は返答のない彼女にもう一度声をかけた。

「久保主任?」

「あ、はい?」

彼女は明らかにボンヤリしていた。

「朝から君をそんな風にさせる程の男がこの世にいたとはね。」

「坂下さん。」

「久保玲香ともあろう才女が骨抜きにされるとは。」

「あら、そんなことはないわ。」

「どんなヤツなんだい?」

「んもぉ、からかわないで。」

僕はクックッと笑って用件に入った。

「イレギュラーを確認したい。」

「わかりました。」

データのチェックは完璧だった。

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