俺の魂を狂わす女
「沢木いる?」

「上だよ。」

俺は階段をかけ上がった。

「おはよう。」

「おはよう。」

沢木はニヤニヤしていた。

「何?」

「一部始終を見届けた。」

「はっ?」

「トボケんなよ。」

「なんだ、バレバレか。」

「おまえがいいなら、僕は何も言えないし。」

「彼女となら大丈夫。向こうから先に言われたんだ。」

「何て?」

「俺に気があるって。」

「日高、やっぱり言わせてくれ。あの女はやめておけ。過去の女の誰よりもこっぴどい目に合うと断言できる。」

「そんなことより、いつ婚約者に会わせてくれんの?」

「ああ、それね。今日ここに来るよ。」

「マジ?」

「まっ、楽しみにしててくれよ。」

「4人で集まってもいいよな。」

「日高、まだ彼女とデートしてない内から縛るのは控えた方がいいと思う。」

「沢木、いつも的確なアドバイスをありがとう。」

沢木は頭を振って画面に向き直った。

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