俺の魂を狂わす女
私は彼に会いたくて

どうにも会いたくて来てしまった。

会社の帰りに駐車場で彼のバイクがまだあるのを確認した。

メールもせず計画もなく

自分の衝動的な今の状況を車の中で持て余していた。

彼は何時に帰宅するだろうかとぼんやり思い

この後の過ごし方も考えず

想いはただひたすら会いたいだけだった。

この一週間が終わりのない旅のように長く感じ

週末が永遠に来ないのではないかと

重い時間を過ごしてきた。

私をこんな気持ちにさせる男性がいたことに改めて驚き

ひと目惚れという現象が自分の身に起こったのを

第三者の立場で見ることもできた。

私の一部分は冷静で

あとの大部分はまったく機能していなかった。

どのくらいこうしていただろう。

ライトの明かりが近づき

バイクのエンジン音が聞こえた。

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