ラブ☆チョイス
━━ガシッ!
「危ない、危ない!大丈夫?」
「あっ、ありがとうございます」
茶髪の彼が倒れそうになる私をすかさず支えて、ニッコリと笑いかけてくれた。
その笑顔があまりにも綺麗で思わず顔を紅くしてしまう。
「ヨウがいきなり走り出したからどうしたのかと気になって来てみれば……あの男に襲われてる彼女を助けようとしたんだ な」
「えっ!そうなの!?」
なんと、ヨウは私が高木君に襲われてるところを見かけて、走って来てくれたらしい。
その真実に驚いていると……
「……ちげぇよ」
「違うんかい!」
即答で否定された。
ちょっとでも関心した私の感動を返せ!!
ヨウの答えに私は怒り、茶髪の彼は面白そうにお腹を抱えて笑う。
「……まぁ、こいつに借りを返してやっただけだよ」
「ヨウ……」
しかしヨウは顔後に顔を逸らしながら、小さな声で付け足すように呟いた。
なんだ……ヨウってただの無愛想な男ってだけじゃないのね。
私はそんな不器用なヨウの優しさに、思わず笑みをこぼした。
「まぁ、とにかく君が無事で良かった!これからは気をつけなよ」
「うん、ありがとう」
茶髪の彼が私にそう注意し、私も素直に頷いてお礼を言う。そしてヨウと茶髪の彼はまたどこかへと去って行った。
「……それにしても、何でこんなところにいたんだろう?」
私は遠のいていく彼らの背中を見ながら、どうしてアパート前にいたのか疑問に感じていた。
━━これが私の運命を変える出会いだとは知らずに。