ラブ☆チョイス
あまり派手に着飾らずシンプルな格好にスタイル抜群の彼。
顔は前髪で隠れていて見えないけど、雰囲気からして格好良さそう。
この時なぜか私は名も顔も全く知らない彼とギャルが気になって目が離せずにいた。
「……」
「ちょっと~!無視しないでよ」
明らかに彼へ話し掛けているのに当の彼は見向きもしないで携帯を触っている。
うわぁ……。"ウザいオーラ"全開じゃん!
聞かなくても全身から嫌がっているオーラを出す彼に、私は心の中で彼に同情する。
しかし、私でもわかる彼の気持ちがわからないのか、ギャルはお構いなしに喋り続けていた。
「暇ならこれから遊びに行かない?ぶっちゃけ ~、あんた、私の超タイプなんだわ!」
どうやらギャルの目的はナンパ。
いや、違うか。女が男を誘うんだから逆ナンか……。
ともあれ、今時珍しい逆ナンに驚きつつ私もなぜか緊張しながら彼を見る。
すると、
「えっ……」
離れているのに彼と一瞬目が合ってしまい、とっさに顔をそむけた。
しまった!あまりにも見すぎたから気づかれた!!
私は気まずく思いながら、彼の様子を見るため恐る恐る顔を上げる。
幸いにも、もう彼は私を見ておらず、ギャルに対して無視を決め込んでいた。
あっ。今、眉間に皺が寄った。
しかしギャルのしつこさは相当のようで彼の我慢が限界に近づいているのか、眉間の皺が深く刻まれていく。
……モモとの待ち合わせまで、あと5分。
目が合ってしまったのも何かの縁かもしれない……。
私は一歩、彼とギャルの所へ踏み出した。