ラブ☆チョイス
「ごめん!遅れちゃった!」
私は小走りで彼とギャルの元へ近づく。
「なっ、何?あんた、彼女!?」
もちろん、突然登場した知らない女にギャルは驚きを隠せず焦っている様子。
動揺するギャルもおかまいなしに話を続ける。
「えぇ!これからデートの約束してるの!ねっ?」
そんな彼女に疑われないよう必死に演技をしながら、彼の腕に抱きつき、私だけでは納得してくれそうにもないから、彼 にも協力してもらおうと話し掛けた。
「あっ……うん」
全く知らない他人にいきなり彼女と名乗られて、一瞬動揺の色を見せたがどうにか私に合わせようと頷く。
「何よ!彼女がいるなら最初からそう言いなさいよね!」
そしてさすがにギャルも諦めがついたらしく、不満そうに立ち去った。
「よっ、良かった……」
自分が彼とは赤の他人だとバレないかヒヤヒヤしていたので、ホッと安心し胸を撫で下ろす。
それにしても近くで彼の顔を見ると……ものすごく綺麗な容姿をしていらっしゃる。
パーマがかった漆黒の前髪から見えるくっきり二重の澄んだ瞳に、鼻も高く、程よい薄さの可愛い口唇……。
八頭身はあるスタイルにオシャレな服装がよく似合っている。
正直、そこら辺にいるアイドルやモデルよりも格好良い……。
これはあのギャルが一目惚れするのもわかるな……。