たんぺん。

まあ、そんなもどきの私でも曲に関して悩むときもある。

それが今。

いい歌詞が全く思い浮かばない。

ラブソングなんだけど、ありきたりのコッテコテな歌詞しか出てこない。

『君がそれを教えてくれたんだ』やら
『2人で一緒に』やら
そういうマジでコッテコテのやつで。

「思い浮かばん…!」

そして今、私は駅前公園で白目をむきながら考え込んでいる。

白目は考えても思いつかないときの悪い癖だ。早く直したいと思っている。ちなみに直す方法を考えたことはない。


ああ、ちっちゃい子がいる。
幼稚園のお散歩かなんかかな。きゃわいいなあ。
私にもあんなに可愛らしい時期があったんだな。はは、純粋で綺麗な目をしてやがる幼稚園児達よ、そのまま純粋に育ってくれ。
私かい?私はニート予備軍のJKだよ。私のようになってはいけないよ。反面教師ってヤツさ。
やべ、虚しくなってきた。

あ、あの子私の方見てないか?おばちゃんの荒んだ心を癒してくれるのかい?
あれ違うな、あれビビってるよ。純粋な目が怯えてるよ。


あ、これ白目見られたわ。

けどそんなにビビんなくてもよくね?園児よ。こちとらピッチピチのJKだぜ?
ダメだ、警戒されてる。
…………はぁ。幼稚園児にもビビられるとか、私はどんだけ歌詞を考えてたんだろう。

そう思いながら、私がため息をついた瞬間だった。

「ブハッ…!」

「は?」

その笑い声が聞こえたのは。


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