風車。



彼等はわくわく顔で、飛鳥が何か部活に入るのを期待していた。

飛鳥自身、何かやるつもりは全くなかった。けれど彼等の期待には応えたくて、一応真面目に部活紹介や勧誘は見て回る事にした。

正直運動部は疲れるし懲り懲りなのだが、飛鳥の背格好を見て勧誘してくる運動部は後を立たなかった。


「ちょ、お前でっか!俺よりでっか!」

「何お前」

「名前か?俺の名前は木造勇次郎(きづくり ゆうじろう)!中学何部だった?筋肉あるっぽいから運動部だったんだろ?なぁなぁ何部入んの?」



何だコイツうるさい。


それが飛鳥の、木造に対する第一印象だった。

絡み方や餓鬼臭い仕草から何故こんな奴が進学校にいるのかと不思議に思ったものだ。



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