好きになっちゃダメなのに。

「あ、勘違いしないでほしいんだけど、陽がいなくなるから立候補しないとか、そういうんじゃないから」

「……えっ!?」


速水くんの言葉に、私は思わず目を瞠った。


ど、どうして今まさに考えていたことが分かるの!?

たしかに私は、速水くんと比べたらずっと単純な思考回路をしているだろうとは思うけど、そんなに!?

そんなにバレバレなの!?


なんだか軽くショックを受けた私は、どうやらそれも顔に出ていたみたい。

速水くんが、呆れたように笑った。


「晴山さん、たぶん自分で思ってるより顔に出るタイプだから気をつけた方がいいよ。

生徒会のことは、陽のことが無関係とは言わないけど、それが一番の理由じゃない。でも、なんていうか……、晴山さんだって思っただろ?俺とあの人じゃ、比べるのもおかしいくらい似てないって」


「っ!」


その言葉で、ハッとした。

あの人、というのは、きっと龍也さんのこと。


……もう。

速水くんの、強がり。

やっぱり、気にしてるんじゃん……。

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