好きになっちゃダメなのに。


「他の皆は生徒会室で準備してて、多分もう入れないくらいの人数になってるだろうから、他の場所を探そう」


掲示板をはなれて、いよいよ選挙に向けた作戦会議に向かおうと歩き出した私は、速水くんの言葉に頷いた。

速水くんは去年の選挙だって経験しているんだし、やり方は分かっているんだろうけど、私は丸っきりなにも知らない。

速水くんについていくしかないし、従うしかない。


「そういえば、毎日それなりに帰る時間遅くなると思うけど問題ないよね」


────帰り遅くなるけど大丈夫?

じゃないの?本来。

速水くんの有無を言わせない言い方に、私は思わず眉をひそめた。


……問題、あるよ。

私は速水くんみたいに勉強ができるわけじゃないし、要領がいいわけでもないんだから、毎日遅くなるんじゃ確実に宿題も予習復習も終わらない。

毎日遅くまで準備なんて困る!

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