好きになっちゃダメなのに。

私は何も言葉にできなくて、だけどそれを気にするふうもなく、速水くんは言葉を続ける。


「あんたが俺の味方でいてくれたのは、選挙のためだってことは分かってる。陽とのことを応援してくれていたから、支えてくれていたことも。

それなのに、いつの間にかあんたが隣にいてくれるのが当たり前になってて。理由なんかなくてもこのまま一緒にいてくれたら、って思うようになってて。

……あんたとの関係、これで終わりにしたくない」



────まっすぐな言葉を口にすること、速水くん、苦手なくせに。

それなのに、聞こえてくるのは恥ずかしくなるくらいのまっすぐな言葉ばかり。


「……っ」


ようやく、頭が速水くんの言葉を受け入れ始めていた。

嬉しすぎて、驚きすぎて、信じられない、っていう気持ちの方が大きいけれど。

それでも確かに、速水くんが私と同じ気持ちで私を見てくれているって分かった。


私もすぐにでも、速水くんに同じ気持ちを、同じ言葉を返したい。

それなのに、嬉しさに心がいっぱいになってしまって、涙に埋もれて言葉がでない。

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