好きになっちゃダメなのに。
♯ 3 新しい場所へ
♯3
速水くんが見事生徒会長の座を掴んでから1週間後。
新しい生徒会への引き継ぎをいよいよ明日に控えていた。
明日の全校集会で、引き継ぎが行われる。
全校生徒の前で、新しい生徒会メンバーが改めて挨拶をするのだ。
その集会で、今までの生徒会役員は引退。
完全に新しい体制になる。
……というわけで、今日は放課後に新旧生徒会メンバーで集まりがあるらしい。
引退するメンバーを送り出す会であり、新しいメンバーを激励する会。
なんだけど。
「本当に私も行っていいの?」
なぜか私まで招待してもらってしまって、私は会場である学校の中庭に向かいながら、隣を歩く速水くんにそう訊ねた。
すると、速水くんは呆れたように私を見る。
「あんたは一体何回同じ質問をするわけ?答えるの、いい加減飽きたんだけど」
はぁ、とわざとらしくため息をつかれ、私は頬を膨らませた。