好きになっちゃダメなのに。
────そして、それ以上なにもできないまま、引き継ぎの集会が迫っていた。
「ああああ、もう。私の役立たず……」
思い切り落ち込んで、私はステージ脇に控えていた。
もっとできることがあったんじゃないか、もっと他に言い方があったんじゃないかと思っては、ヘコむ。
でも今更もう何もできない。
私は私で挨拶をしなければならない。
すごく緊張するだろうと思っていたけど、思ったほどの緊張はなかった。
須谷くんを説得できなかった後悔に気持ちがいっているからかもしれない。
「先に私たちが挨拶するから。その後は新しいメンバーでお願いね」
そう説明してくれたのは、この会の進行役でもある、梶原先輩。
私は他のメンバーと一緒に、はい、と頷いた。