好きになっちゃダメなのに。
「もう。……とりあえずそれ、届けてきたら?2-6なんて棟が違うのに、明李ひとりに持って行かせるなんて、高橋先生もなかなか容赦ないね」
「……羽依ちゃん」
じっ、と羽依ちゃんを見ると、羽依ちゃんはカラカラと笑った。
「ごめんね。私、実験の準備に行かなきゃ」
そう言って、羽依ちゃんは黒板に書かれた今日の時間割を指さす。
次は、生物だ。
「……はぁ、そっかぁ。そう言えば今日の日直って羽依ちゃん……」
てことは、本当はこの世界地図運搬係は羽依ちゃんだったんだ。
じゃあ、まぁ、しょうがないかな。
羽依ちゃんは次の授業の準備もあって忙しいみたいだし。
「行ってきまーす」
「うん。先に生物室行ってるね」
「了解っ」