恋して狼!~狼たちと籠の鳥~
「店長」
「やらせとけばいいよ2人だってもう大人なわけだし」
「でも・・・」
「いいから
それに隼斗のマウントは変わらないよ
涼牙も殴られて相手の気がおさまるならそうしてるだろうし
そのうち自分に飽きてなにもしなくなる
涼牙はそう考えてるんだよ」
そんなの悲しすぎる
私は何故か2人のところに走っていってとめようとした。
隼斗さんに殴られるそう目を瞑ったとき涼牙さんがその拳を手で止めた。
「まったくめんどくさいなあんた」
涼牙さんは隼斗さんの鳩尾を正確に打ち抜いて立ちあがる。
シャツの乱れだけ直すとヨロヨロとカウンターに突っ伏してしまったので私はそっとお水を差し出した。
それから店長のところに行こうとして足をとめた。
うずくまっていた隼斗さんがスツールに座る涼牙さんをひきずり倒して殴りつけた。
「いい加減にしいや
みんな困ってるで」
美弥さんが2人を引き剥がしやっと事態はおさまった。
店長が涼牙さんを助け起こす。
「気にいらねぇなんでおまえだけ特別扱いなんだよ」
隼斗さんは美弥さんに抑えられながら荒い呼吸で吐き捨てる。
代弁したのは真さんだった。
「今のは隼斗が悪い
往生際が悪いんだよ」
「涼牙、大丈夫?」
涼牙さんは店長の質問にはまったく応答せずフラフラと二階にあがってしまった。
私も氷嚢片手に後を追う。
プライベートルームのドアをノックしても返事はない。
仕方なく私はそっとドアを開けた。
涼牙さんは暗い部屋のベッドの上でタバコに火をつけて横になっていた。
「なにしにきたわけ?」
「ケガしてたみたいだから」
ため息と重なる小さな声
「お人好し」
消えそうな声は本音
「だって目の前でケガしてたら助けますよね普通」
私はありったけの言葉をぶつけてみた。
やや間があって手首を掴まれ引き寄せられた。
息ができなくなるくらい近くにいて鼓動が早くなる。
目と目があう距離で涼牙さんはまた小声で言う。
「あんたになにがわかる?」
「わかりませんよ考えてることなんて
涼牙さんは無口だしなに考えてるかわからないし
わからないから知りたいんです。
たぶんほっとけない性格なんです」
「なんで泣いてんだよ」
涼牙さんの細い指がいつの間にか落ちていた泪を拭う。
「わかりませんよ勝手に溢れてくるんです」
「めんどくさい奴」
誰かになに言われたってかまわない
でも涼牙さんにだけは嫌われたくない。
言えそうで言えない本音をかみ殺した。
「やらせとけばいいよ2人だってもう大人なわけだし」
「でも・・・」
「いいから
それに隼斗のマウントは変わらないよ
涼牙も殴られて相手の気がおさまるならそうしてるだろうし
そのうち自分に飽きてなにもしなくなる
涼牙はそう考えてるんだよ」
そんなの悲しすぎる
私は何故か2人のところに走っていってとめようとした。
隼斗さんに殴られるそう目を瞑ったとき涼牙さんがその拳を手で止めた。
「まったくめんどくさいなあんた」
涼牙さんは隼斗さんの鳩尾を正確に打ち抜いて立ちあがる。
シャツの乱れだけ直すとヨロヨロとカウンターに突っ伏してしまったので私はそっとお水を差し出した。
それから店長のところに行こうとして足をとめた。
うずくまっていた隼斗さんがスツールに座る涼牙さんをひきずり倒して殴りつけた。
「いい加減にしいや
みんな困ってるで」
美弥さんが2人を引き剥がしやっと事態はおさまった。
店長が涼牙さんを助け起こす。
「気にいらねぇなんでおまえだけ特別扱いなんだよ」
隼斗さんは美弥さんに抑えられながら荒い呼吸で吐き捨てる。
代弁したのは真さんだった。
「今のは隼斗が悪い
往生際が悪いんだよ」
「涼牙、大丈夫?」
涼牙さんは店長の質問にはまったく応答せずフラフラと二階にあがってしまった。
私も氷嚢片手に後を追う。
プライベートルームのドアをノックしても返事はない。
仕方なく私はそっとドアを開けた。
涼牙さんは暗い部屋のベッドの上でタバコに火をつけて横になっていた。
「なにしにきたわけ?」
「ケガしてたみたいだから」
ため息と重なる小さな声
「お人好し」
消えそうな声は本音
「だって目の前でケガしてたら助けますよね普通」
私はありったけの言葉をぶつけてみた。
やや間があって手首を掴まれ引き寄せられた。
息ができなくなるくらい近くにいて鼓動が早くなる。
目と目があう距離で涼牙さんはまた小声で言う。
「あんたになにがわかる?」
「わかりませんよ考えてることなんて
涼牙さんは無口だしなに考えてるかわからないし
わからないから知りたいんです。
たぶんほっとけない性格なんです」
「なんで泣いてんだよ」
涼牙さんの細い指がいつの間にか落ちていた泪を拭う。
「わかりませんよ勝手に溢れてくるんです」
「めんどくさい奴」
誰かになに言われたってかまわない
でも涼牙さんにだけは嫌われたくない。
言えそうで言えない本音をかみ殺した。