秀才くんの子育て日記
「………ほんとに、全部おいてきた?」
ナギが不安そうに聞いてきた。
なんで今にも泣き出しそうな顔してんだ。
ギュッ
『置いてきたよ。あるのは雨依たちにもらったやつだけ。』
なしてそんなに震えてるのさ。
なにをそんなに抱えてんのさ。
「ん。ごめんね、あんなこと言って。」
『んーん。ナギはくれるの?笑』
「………………あげる。」
背中に回していた両手が持っていたのは可愛らしいラッピング。
…………もしかして…
『俺が他の女の子の食べるの、いやだった?笑』
「………うっせ。」
なんだ、それで怒ってたのwww
一見落着だ。
これなら、ガトーショコラの出番はなくなったな。
明日みんなに持ってこう
「ちょこの匂いする………」
『ふふっ…明日持ってくね。』
ナギの耳に付いている黒いストーンを見つめながら微笑んだ。