秀才くんの子育て日記


 ナギSIDE


 今日、朝起きた時から。


 嫌な予感はしてた。


「……」


 目の前に止まった黒いベンツ。


 運転手はもちろん知っている人。


「ナギお嬢様………」


 泣きそうな顔をする私の執事だった早瀬。


「……時間、か。」


 私の自分をあざ笑う声に、早瀬は目に涙を溜める。


「なんでアンタが、泣いてんのよ」

「だって………」


 小さい頃からめんどう見てもらってる。


 もちろん私が父親にされていたことも全て知っている。



 早瀬は悪くない。


 父に雇われてるんだから、助けてなんてそんなこと言えない。


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