Love Game


撮影当日

スタジオのメイク室で瑞希に。

瑞希に何ら変わったことはなさそうだ。

じゃあ何故…

メイクを始めて暫くして矢野さんが呼ばれて出て行き瑞希と2人 に。

「何でメール拒否なの」

瑞希に聞くと

「えっ?」

驚いたように

「何で?」

「…えっ?ち、着信拒否?」

メイクの手を止めて慌てて携帯をポケットから取り出してチェックをしてる。

「あ~ご、ごめん。前に拒否設定したの戻し忘れてました。ごめんなさい」

へっ?

忘れてたってか!

瑞希は平身低頭俺に謝ってる。

な、何なんだよ。

俺が真剣に悩んでたのは。

「はぁ~焦るでしょ」

「えっ?」

「てっきり逃げ出したのかと」

「黙って逃げない」

「逃げないんだ」

「逃げた方がいい?いいなら逃げるけど」

再びメイクを始めた瑞希の頭に手を置いて

「逃げるなら逃げてごらんよ。捕まえるから」

頭に置いた手に力を。

「描きづらいから手を退けてくれる? 今仕事中だから」

「ククク…逃げた」

「……」

「今晩逢える?」

「撮影…」

「それから俺の家に来てよ」

「家は…」

やはり躊躇っている。

「じゃあホテル取るから」

「……」

「ねっ!」

ちょっと強引かとは思うが

「わ、分かった」

「ん」

引き寄せようとすると押し留められ

「駄目。メイクが崩れる。さ、出来上がったから着替えて下さい 」

「……」

「漣君」

「漣だよ」

「仕事中は漣君です」

「はぁ~真面目!仕方ないね」

ガチャッ!

矢野さんが戻ってきた。






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