Love Game
矢野さんが雑誌を持って来て
「何だかお似合いの2人だね。前に山本さんが言ってたのは事実だったんだな」
「……」
雑誌を見ると
瑞希と桐原さんが笑いながら話しをしているという雰囲気だ。
確かに矢野さんが言うように…この記事が真実だとは思わないが、俺が気になったのは瑞希の顔。
凄く楽しそうと言うかリラックスした穏やかな笑顔。
俺が一度も見たことがないような顔を桐原さんに見せている。
それが何とも腹立たしいと言うか…やりきれないほど寂しさが押し寄せてくる。
「…ん、漣って、どうした?」
「えっ?」
気がつくと矢野さんが怪訝な顔で俺を。
「あ、いや何でも」
「うん。撮影始まるぞ」
「あ、あぁ」
今は瑞希のことを考えてる場合じゃない。
撮影に没頭しなければ。
――
―
だけど
「カット!どうした?漣」
「あ、すみません」
「珍しいな、漣がNGなんて」
「すみません」
「大丈夫か?」
「はい」
切り替えないと。
今は…