Love Game
「おはようございます」
「おはようございます…瑞希さん、何かあった?」
「えっ?」
絵梨香ちゃんが心配そうに
「目が腫れぼったいよ。お化粧で誤魔化してるけど」
やはり鋭いな。
「単なる寝不足。夜遅くまで本を読んでたから」
「それならいいんだけれど」
「さっ、メイクしようか」
「はい」
今日はちょっと時代がかった設定。
絵梨香ちゃんは鹿鳴館の貴婦人風に
髪もその時代っぽく額を出してフロント、トップ、サイドにボリュームを持たせて纏めてドレスの共布のリボンを飾る。
化粧も白めのファンデーションと赤めの口紅、眉も細く切れ長
「はい、出来ました」
「ありがとう。フフフ…何か鹿鳴館でダンスするみたい」
「フフフ…カメラの前でダンスして」
「ハハハ…」
スタジオに入り撮影が始まった。
鹿鳴館の次は大正浪漫風
髪は綺麗なウェーブでショートに見えるように半ウィッグ
えんじ色の膝下ワンピースにソックスとローファー後は帽子
メイクも明治時代より色んな物が入って来てるから目元もキリっ と。
少しチークも。
「可愛いわね、この恰好。今でもいいかも」
「うん絵梨香ちゃん似合ってる」
「フフフ…ありがとう」
スタジオに戻って撮影。
それを何回か繰り返し
「はい、お疲れ様です。今日の撮影は終わりです」
撮影が終わったのは3時過ぎ。
絵梨香ちゃんに次の仕事が入ってるから。
メイクを落として
「これからテレビ?」
「うん。あまりトーク番組は得意じゃないんだけど」
「頑張って」
「ありがとう」
メイクをし直して
「じゃあ瑞希さん、次は明後日ね」
「うん」
絵梨香ちゃんと別れて私も一旦家に帰る。