Love Game
「瑞希さん」
「…うん、終わった」
あれから2時間後
漸く漣の携帯に
「迎えに行こうか」
「ううん大丈夫。今マンションのエントランスにいる」
「えっ?じゃあ今開けるから」
言ってる間にドアが開いた。
携帯を切ってエレベーターに乗り10階へ。
チャイムを鳴らそうとしたら
ガチャッ!
ドアが開き
「……」
「入って」
「うん」
玄関を上がりリビングへ
「座って」
ソファーに腰を降ろすけど…漣を見ることが出来ない。
「コーヒーでいい?」
「あ、う、うん」
漣がキッチンに行きコーヒーの支度を。
「何で連絡しないで」
「あ、ごめん。そうだよね、漣君出掛けてたかもしれなかったよね」
「…俺が出掛けてた方がよかった?」
「えっ?」
反射的にキッチンにいる漣の方を見る。
「出掛けてたら会わずにすんだよね。一応来たんだから約束は破ったことにはならない」
…冷たい目をして私を見てる。
その視線がいたたまれない。
「違う!そんなことは考えてない。先に連絡したら…また感情的になって… それこそ来れなくなると思ったから。約束破ることになると思ったから…だから」
コーヒーをテーブルに置き
「ごめん」
「あ、謝らないで…謝ることなんてないから」
本当に漣という人が分からない。
偉そうにするかと思えば素直というか。
変態のどSかと思えば仔犬のように甘えてくるし。
子どものようかと思えば大人の優しさもあるし。
――
―
いや、それも全てが…漣
カリスマモデルの漣ではなく一人の男
この3ヶ月で私が知った秋篠漣という男なんだ。