Love Game
「コーヒー飲んで」
「あ、うん。ありがとう」
コーヒーを飲みながら…
でも、どちらも口を開かない。
――
―
コトン
コーヒーカップを
テーブルに置き
「NYで写真誌を見た」
「……」
「ドラマのスタッフが偶々買って来たんだ」
NYでも今では日本の雑誌は売ってる。
「みんなが騒いでて見たら桐原さんと瑞希さんが仲良く写ってた」
「……」
「まさか、ありえないと…もちろん本気にはしなかった」
「えっ?」
信じたわけじゃないの?
「だけど無性に腹が立った」
「……」
信じてないのに何故?
「瑞希さんが桐原さんに笑いかけてたから。俺に見せないような笑顔を見せてるのが堪らなくて」
「……」
「だから昨日帰って来て…どうしても瑞希さんに会いたくて瑞希さんの仕事のことも考えず家の前で待ってた」
「……」
「やっと帰って来た瑞希さんは俺を見てもちょっとも嬉しそうじゃないし、何だか俺イラついてあんなことを言ってしまった。もしかしら瑞希さん本当は桐原さんが」
「敬吾君には恋人がいるの」
「えっ?」
漣が驚いたように
「敬吾君にはもう3年も付き合ってる恋人がいるの。事務所の人も知ってる」
「瑞希さんじゃ」
「違うわよ。私が2人を会わせたの。敬吾君の恋人は私の親友なの。この業界とは関係ないから秘密にしてるけど事務所も公認なの。2人供真剣だから…どちらかと言うと敬吾君が惚れ込んでるから事務所も許して2人を見守ってるの」
「ご、ごめん」
漣が赤くなり謝る。
やっぱり素直なんだよね。