Love Game



コーヒーを飲みながら…

どちらも口を開かない。

――



「NYで写真誌を見た」

俺から口を開く。

「……」

「ドラマのスタッフが偶々買って来たんだ」

「みんなが騒いでて見たら桐原さんと瑞希さんが仲良く写ってた」

「……」

「まさかともちろん本気にはしなかった」

「えっ?」

瑞希が驚いたような顔を。

瑞季はやはりがあの記事を頭から信用したと思っていたのか?

「だけど無性に腹が立った」

「……」

正直に俺の気持ちを瑞希に。

「瑞希さんが桐原さんに笑いかけてたから。俺に見せないような笑顔を見せてるのが堪らなくて」

例え馬鹿にされても…

呆れられても…

「……」

「だから昨日帰って来て…どうしても瑞希さんに会いたくて瑞希さんの仕事のことも考えず家の前で待ってた」

「……」

「やっと帰って来た瑞希さんは俺を見てもちょっとも嬉しそうじゃないし何だか俺イラついてあんなことを言ってしまった。もしかしら瑞希さん本当は桐原さんが」

「敬吾君には恋人がいるの」

「えっ?」

桐原さんに恋人?

聞けば年前から付き合っている恋人がいると。

「瑞希さんじゃ」

ないとは思ってもやはり聞いてしまう自分がいる。

瑞季は気色ばんで桐原さんの彼女は自分の友達で事務所も公認だと。

「ご、ごめん」

謝ると同時に安心と何処かで桐原さんを羨ましがってる自分がいる。

『桐原さんが惚れ込んでいる彼女』

『事務所にも認めさせた彼女』

いつか…



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