Love Game
スタジオに入り
春っぽいパステルカラーのシャツにジャケットにパンツという如何にも爽やかさを絵に描いたような漣がカメラの前にいた。
だけど相変わらずカメラの後ろにいる私に視線を向けている。
ヤバイからカメラだけを見てよ。
「瑞希さん、テカり」
「はい」
漣の側にいってパフで抑え小さい声で
「ちゃんとカメラだけを見てよ」
「自意識過剰」
な、何ですって!
プイッと顔を背けカメラマンに
「OKです」
「じゃあ漣君、いこうか」
「はい」
再び撮影が始まった。
――
―
な、何よ?
自意識過剰って言った割りにはやっぱり私を見てるじゃない。
自惚れなんかじゃないから。
――
―
「はい、OK。じゃあ昼飯済んだら次のパターンで」
「はい。じゃあ次は…っと1時からで、瑞希さん間に合う?」
「はい大丈夫です」
そんなに変えることもないし。
漣に
「メイク落とさないでそのままでいて下さいね」
「ん」
漣は何か言いたそうだったけど
「じゃあ先に着替えをして12時半までにはメイク室にお願いします」
「分かった。あ、」
「瑞希さん」
「あ、はい。じゃあ」
「……」
漣が睨んでるけど気にはしてなれない。
今は仕事中なんだから。