Love Game
桐原さんの知り合いの店へ
そこは割烹料理屋だった。
奥の小部屋に案内されて 先ずはビールで乾杯。
料理は店のお任せで。
「美味いだろ」
「はい」
新鮮な食材に確かな料理人の腕。
シンプルな料理なんだが食材が生かされていて美味い。
初めはビールだったが冷酒に移っていった。
「来週、放映だな」
「はい」
あのNYロケに行っていた例のドラマが放送される。
「楽しみだな」
「う~ん楽しみと言うよりは…何だろ怖い」
正直、放映を見るのが怖い。
俺は全力を尽くしたが視聴者には必ず受け入れられるもんでもないのは分かってる。
でも…
「心配すんなよ。前評判は確かなんだから。それにもう取り終わってんだから、今更ジタバタしてもしゃーない」
「ハハハ…そうですね」
その時
BuBuBuBu
「あ、ちょっと」
桐原さんが携帯を取り出し
「はい」
「うん。帰るなよ。えっ?いや絶対に。じゃあな」
携帯を片付けて
「すまん」
「いや、誰かと約束ですか?」
「いや~約束つうか」
桐原さんが頭を掻いてる。
もしかして…照れてんのか?