Love Game
「彼女…つうか」
桐原さんが赤くなった。
「彼女ですか?」
驚いた。
瑞希からは聞いてはいるが、桐原さんが話すなんて。
「ヘアメイクの緒方瑞希って知ってんだろ」
「あ、はい」
「俺、瑞希と学校が一緒、あ、学校つってもヘアメイクの学校だけどな。そんな関係で瑞希はまぁ、妹みたいなもんなんだ。あ、 でも…ハハハ…」
「……」
「こないだ久々に一緒の仕事でハワイに撮影に行ったら写真誌に撮られたけどな『桐原敬吾の恋人か』って」
「…見ました」
知らんぷりも出来ないだろ。
話題になってたことだから。
「凄いよな、ちょっと話してた一瞬を撮って取材もなしに載せるんだから」
「……」
「俺の彼女ってのは瑞希の親友で、瑞希の紹介みたいなもんで知り合ったんだ」
それは瑞希から聞いていた。
「彼女…幼稚園の先生してて。からかな。面倒見がよくて…それにさ出逢った頃って今から3年くらい前なんだけど、その頃の俺ってモデルから役者になって周りからちやほやされて勘違いしてたんだよな」
「勘違いですか?」
「うん」
酒を一口飲み