Love Game
「引いたか?」
俺が黙ったのを勘違いしたのか
「桐原敬吾がたった1人の女におろおろ振り回されてるって」
「いや、そんなこと。逆にいいなと思って」
「うん?」
「いやさっき桐原さんが言ったように黙ってても女の方から近寄って来てちやほやするじゃないですか?なのに…その彼女さんも凄いですけど、その人を選んだ桐原さんも凄いなって」
「そうか?」
「はい」
また2人、酒を飲む。
「漣は?」
「えっ?」
「いないのか、彼女?」
「……」
「フッ その顔はいるな」
「参ったな」
「同業者か?」
「あ、いや違います」
「…絵梨香ちゃんじゃ」
桐原さんもそう思ってんのか。
「違いますよ。あれは単なる噂です。 まぁ、あえて否定とかしてないから、そう思ってる人いるようですけど」
「それこそ彼女妬かないのか」
「知ってますから」
「うん?」
「まぁ、ヤキモチ妬いてくれるくらいなら嬉しいんですけどね」
「ハハハ…何だ、それ?」
「さばさばしてるつうか…」
「何か…真帆に似たタイプだな」
「えっ?」
や、ヤバい。
このままいくと瑞希のことを話してしまいそうだ。