Love Game
BuBuBuBu
あ、携帯を取り出して
「出ないの?」
「えっ?」
「もしかして…瑞希?」
「は、はぁ」
真帆さんがニンマリ笑って
「貸して」
俺の手から携帯を取り上げ
「はい」
「えっ?」
笑いを噛み殺している。
「ハハハ…瑞希、私よ…えっ?ちょっと待って」
今度は桐原さんに渡して
「瑞希。えっ?ハハハ…ちょっと待て」
俺に携帯を。
2人がニヤニヤしながら俺を見てる。
「瑞希」
『漣!これやっぱり漣の番号だよね。間違えたかと…って何で漣が真帆や敬吾君といるのよ?』
「えっと…話せば長い」
『喋ったの?』
声が怖い。
桐原さんが再び携帯を取り上げ
「瑞希」
「うん、違うんだ。今日、漣と仕事だったんだ。うん…その後で一緒に飯を食って…漣に瑞希をどうかと薦めたんだ。そしたら白状した…えっ?お節介って…お前な妹を心配すんのは兄として当 たり前だ。ハハハ…じゃあ漣に替わる」
再び
「瑞希」
『ごめんね、漣』
「何が?」
『2人に吊し上げられたんでしょう? ホントごめんね』
それが聞こえたのか真帆さんが
「瑞希、誰も吊し上げてないし。うん、明日…あ、ちょっと待って。漣君、明日仕事は」
「明日は…っと午前中から雑誌の仕事が2本です」
「何時に終わるの?」
「夕方には終わると思います」
「うん、なら漣君も夕方此処に来てね。瑞希も来るから。あ、瑞希、聞こえてた?明日は敬吾の家に集合ね。じゃあ」
携帯を切った。
って…俺の携帯なんだけど。