Love Game



お昼になり

落ち着いた店構えのカフェを見つけそこに入った。

年齢のいったご夫婦2人だけのお店みたい。

店内には静かにクラシックが流れ落ち着いたいい雰囲気。

私達の他にもお客さんはいるけど、やはり年配の方達だから誰も漣には気づかない。

「いらっしゃい。何になさいますか?」

ママさんの笑顔がふんわりとしていて優しい。

「今日のお薦めってなんですか?」

「フフフ…全部お薦めだけど、オムライスかな」

「じゃあ私はオムライスで」

「俺はハンバーグランチで」

「はい。ちょっとお待ち下さいね」

ママさんが下がって

「いいお店ね」

「だな。何だか落ち着く」

「うん」

私達も話しはせず、この穏やかな空間を楽しむ。

「はい、おまちどうさま」

「ありがとうございます。わ、美味しそう」

「温かいうちに召し上がって」

「はい」

「いただきます」

ふわふわ玉子にスプーンをいれて口に。

う~ん

「美味しい」

「このハンバーグも美味い」

漣も美味しそうにパクついてる。

「瑞希」

「うん?」

「一口」

「……」

「ね、一口」

飛びきりの笑顔で

絶対確信犯なんだから。

「じゃあハンバーグ一口頂戴」

「……」

「ね」

「仕方ないな」

仕方ないってそれはおかしいと思うのは私だけ?

「お皿取っ替えっこね」

漣にオムライスを渡してハンバーグを私の前に。



< 271 / 539 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop