Love Game
「そう。あの2人も2人きりで街を歩くなんてないと思うよ」
「……」
「まぁ敬吾君は芸能人だから例えスキャンダル出ても…そんなにね。だけど真帆は幼稚園の先生だから。だから外でご飯食べる時も私とか事務所の人が一緒だったり、こんな風にドライブしたり海外でって感じ」
改めて考えたら大変だったんだ。
幼稚園なんて保護者の目もあるしね。
「大変なんだな」
「うん。考えたら絵梨香ちゃんだって」
矢野さんと中々2人きりになれないよね。
「瑞希」
「うん?」
「ほんとにごめんな」
「漣が謝ることなんてないよ」
「瑞希をマスコミの餌食や好奇の目に晒したくない」
「分かってる。それに漣にだってスキャンダルはタブーだもん」
これから俳優として大きく羽ばたくんだもん。
「俺は別に構わない。本音を言えばみんなに『瑞希が俺の恋人です』って言いふらしたいくらいだ」
「ち、ちょっと…それだけは止めてよね。そんなことしたら別れるから」
「真帆さんみたいに」
「そう」
「瑞希ならやりかねないよな」
漣が呆れたような顔で
「ハハハ…」
笑って誤魔化すけど、それくらいの覚悟は私もしてる。
漣の邪魔だけはしたくない。