Love Game
「瑞希」
「うん?」
「鍵…持っててくれないか?」
「えっ?」
鍵を持っててくれないかって
「瑞希に持ってて欲しいんだ」
「明日預かるの?」
漣が『はぁ~』と溜め息をついて
「違うよ。合鍵を瑞希に持ってて欲しいんだ」
「……」
「瑞希」
合鍵を…
私が…
「だ、駄目だよ」
「何で?」
何でって言われても
「合鍵みたいな大事な物を」
「だから持ってて欲しいんだよ。そうしたら瑞希いつでも此処に来れるでしょう」
「で、でも」
「瑞希が持っててくれたら俺が帰る前に先に此処で待っていられる」
「……」
それはそうなんだけど
「瑞希」
「漣、も、もしもよ」
「ん?」
「あ、預かったとして…私が此処にい て…だ、誰か来たりしたら」
「誰かって?」
「友達とか家族とか」
「大丈夫だよ。来る時は連絡あるから。急に来て瑞希と鉢合わせすることなんてないから」
「……」
「瑞希…合鍵持ってて」
そっと抱き寄せ耳元に囁く。
狡いよ、漣。