Love Game



「仕方ねえな」

「ごめんね」

「瑞希が悪いわけじゃないから。瑞希は俺を守ろうとしてくれてるんだから」

「うん」

漣の首にしがみついた。

そっと背中を撫でてくれる。

「ハハハ…何だか恥ずかしいね」

「こんな瑞希も可愛い」

「可愛くはないけど…ありがとう。ご飯の支度をするね」

「ん」

漣から離れ空いたお皿とカップを持ってキッチンへ行って洗い、 晩御飯の支度に掛かる…んだけど

何故か漣が傍に来てちょっかいをかける。

「あっちでテレビでも見てたら?」

「瑞希の傍にいたい」

そんな子どもみたいなことを言われても困るんですけど。

でも邪魔とは言えないし。

あ、そうだ。

「漣」

「ん?」

後ろから私の腰を抱いてるし。

「朝に言ってたこと覚えてる?」

「なんだっけ?」

「『料理を教えて』って」

「……」

「手伝ってよ」

「……」

「ね」

「あ~分かりました。何をしたら」

やっと腰から手を離してくれた。

「う~ん、いきなり包丁も危なさそうなんで…あ、このピーラーでジャガイモの皮を剥いて」

スーパーでピーラーを買ってきた。

「どうすんの、これ?」

左手にジャガイモ、右手にピーラーを持って戸惑っている。

これの使い方も知らないのか。

「これはね」

使い方を教えて漸く剥き始めた。

時間かかりそう。


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